まったく、秋元の奴は何を考えているんだ。

僕はぷりぷりしながら、寝床に入った。

「寂しいなら一緒に寝てやろうか」
「結構だ」

秋元はどうかしている。自分では博愛主義だとか何とか言ってるが、要するにただのインランじゃないか。
おまけに、僕と瀬尾さんが、ヤるとかヤらないとかって。
確かに僕は以前、「瀬尾さんと寝たっていいんだ」、と秋元に言ったけど、別に本気じゃない・・・。
瀬尾さんだって、「実井さんにも波多野さんにも似てて、なんて美味しいんだ!」とか叫んで抱きついては来るけど、それ以上のことをするわけではない。
押し倒されたこともあるけど、あれは写真を撮りたかっただけだし。
瀬尾さん、実際、性欲とかないんじゃないかな・・・。たぶん。

秋元は大人しく寝床に入ったようだった。
しばらくすると、規則正しい呼吸音が聞こえてきた。

一方、僕は眠れない。
秋元と、宗像の・・・を想像して、身体が熱くなる。
くそっ、自分だけ安眠しやがって、たたき起こしてやろうかしら。
僕は寝返りを打った。
秋元の背中が見える。
毛布がはだけている。

僕は起き上がり、秋元の側によった。そうして、毛布を掛けなおした。
秋元は動かない。壁のほうを向いたまま、死んだように眠っている。

秋元のことが分からない。
宗像に本気だとも思えないし、暇つぶしにしては悪趣味だ。
宗像も宗像だ。
葛西が旅立って、まだ日も浅いのに、こんな・・・。
堕落した関係を続けて、何の意味があるんだ。

それにしても、男同士って、一体どうやるもんなんだろう。
僕は勉強ばかりで、男はおろか、女とすらまともに付き合ったことはない。
興味はないわけではないけど、ほかにやらなければいけないことが山ほどあるし、正直、遊びに費やす体力は残ってない。

こいつら、化け物か。
僕は小さくと息して、背中を丸めた。









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