「三好が猫と寝てる?」

田崎が怪訝な顔をした。
「間違いない。猫としゃべってる」
と、波多野。
「また盗聴してるんだろ・・・それにしても、三好、猫嫌いだったのにね」
と実井。
「妬けるね」
「妬けるってなにが?」
「甘利。こっちの話」
と田崎。

「どういう心境の変化だろう」
と小田切が言った。
「誰かに操られてるんじゃないか」
と福本。
「操るってなんだよ」
と小田切。
「そういうの、得意な奴がこのなかにもいるからな」
と福本。
「俺?俺は別に・・・」
と田崎。

「何の話?」
三好がやってきた。
「三好、お前、猫と寝てるって・・・」
「え?ああ。うん。そうだけど、どうかした?」
「猫嫌いは治ったのか?」
田崎が尋ねた。
「あの猫、なんか人間っぽいんですよ。誰かに似ているし・・・」
「誰に似てるんだ」
と波多野。
「んー・・・それは秘密。別にいいでしょう?猫と寝たって」

「なんか隠してたな」
と小田切が言った。
「人間っぽいって言ってたぞ。それなのに一緒に寝てるって、怪しくないか?」
と福本。
「怪しいもなにも、猫は猫なんだから、いいだろう別に・・・」
と波多野。
「あの三好がねえ・・・」

皆はそれぞれに首をひねった。







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