「ああ。悪い。貴様も受けだったな」
波多野は思い出したように言った。

「違う!俺は攻めだっ!!」
俺がベッドを叩きながら言うと、
「確かにな。貴様は攻めだな」
田崎が入ってきた。
「そうだ。田崎の言うとおりだ・・・」
俺は田崎を見ながら言った。
田崎の奴、どういうつもりだろう。

「そんなはずないだろう?」
波多野は言った。
「貴様は受けだと真島から聞いた」
真島から!?
一体どんな話をしてるっていうんだ・・・。
「真島は言っていたぞ。あのときのお前はとっても可愛いって・・・」


「誰も、誰もわかってくれない・・・」
俺は急激に落ち込んだ。
確かに真島とは、俺が受けだ。
だが、望んでそうなったわけじゃないし、今でも納得していない。
俺は男だ。受けはあり得ないんだ。

「わかる、わからないじゃないんだぜ。合うか合わないかだ」
今度は甘利が入ってきた。
「つまり、神永に攻めは合わないんだな」
福本が続けて入ってきた。
むぐぐ・・・。皆勝手なことばかり・・・。

「攻めができるというなら、証明してみたらどうだ。神永」
福本が言った。
「証明?結城さんを襲うって、あれか」
「そうだ。証明して見せろ、立派に攻めるところを」
波多野も言った。
「そうだね。俺も興味があるよ。君が攻めるのも。結城さんが受けるのも」
田崎が言った。
「俺は別に、貴様らの好奇心を満たすために、攻めるんじゃない」
俺が抗議すると、波多野は人差し指を立てて、

「一石二鳥じゃないか、貴様は結城さんを攻めれて、俺たちは好奇心を満足できる」
口を歪めてニヤリとした。



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