いつの間に眠ったのか、気がつくと真木はソファに横になっていた。
毛布が掛けられている。
真木ははっとして体を起こした。
暖炉の側に、黒い影が立っていた。
「結城さん」
「俺だよ」
「なんだ・・・貴様か」
「なんだかはないもんだ。床に倒れているから驚いてしまった。ベッドに運んでも良かったんだが、怪しい気持ちになりそうだからね」
田崎はのんびりと言った。
「あの手紙には、そんなにひどいことが書いてあったのかい」
「別に何も」
思い出しただけだ。あの夜のことを。
「熱があるみたいだね。顔が赤い」
田崎の冷たい指先が、真木の額に触れた。
真木はびくりとして、その手を振り払った。
「気安く触るな」
田崎は思わず微笑した。体に触れられたくないのは、自分を意識してる証拠だ。
「まったく君は猫みたいだね」
お堅い処女は、足を開くのに時間がかかる。