薄暗い部屋の中に、荒い息遣いと、それに混じって甲高い声が漏れる。
ベッドで座ったまま身体を強張らせているのは小田切で、その下半身に顔を埋めて刺激を与えている田崎は、小田切の甘い香りと吐息に本来の目的を忘れそうになっていた。
福本にされたことを思い出して顔を赤らめた小田切は、甘く清々しい香りを放って田崎を惑わせた。
小田切にはこんな欲望を抱かないだろうとたかをくくっていたけれど、・・・なんなんだ、可愛すぎる。


「田崎・・・もう、も、いいから・・・」
肩を押して逃れようとする小田切の腰を掴んで、田崎は顔を上げた。
「小田切、まだだめだよ。ちゃんと、どうされたら気持ちいいのか覚えないと」
そう言いながら、手で刺激を与え続ける。

「ほら、ここは?気持ちいい?」
「あ、ぁ・・・」
眉を下げて頷く小田切。
「じゃあ、こうするのは?」
「んん・・・!」
必死に頷いて答える。
「へぇ、ここが好きなんだね。・・・じゃあ、次はここだよ」
「あぁ!・・・はぁ!」
そんな調子で下半身をじわじわと責めていくと、もう、堪えきれないと言う様に身をよじり、頭を振った。
「田崎!田崎!」
「あぁ、いっちゃいそう?・・・いってもいいんだけどね、満足すると忘れちゃうから、今のうちにやってみて」


そう言って田崎は小田切の頭を両手で寄せると、自身のものを銜えさせた。
身体の疼きを堪えながら田崎の下半身を懸命に愛撫する小田切が可愛らしくて仕方がない。
「あ、今のもっと強くしてごらんよ、そう、上手だね」
小田切の頭を撫でながら、与えられる快感を逃すように大きく深呼吸する。
あぁ、・・・まずいな・・・。
頭の中で1から順に素数を挙げていく。冷静に、冷静に・・・。


しかし、小田切の知らなかった顔をもっと見てみたいという気持ちが勝ってしまった。
「ねぇ、小田切、自分でしてみせて」
きょとんとした顔で見返してくる小田切。
「自分で?」
「そう、福本のこと気持ちよくしてあげるんなら、たまには自分のことは自分でして、いれやすいようにしてあげなきゃダメでしょ」
「そうか・・・なるほどな」
「俺は、することがないから見てるけど、福本に見られてると思ってするんだよ。さ、目を閉じて・・・」
言われたとおりに目を閉じる小田切の耳元で、田崎は福本の声色を使って囁いた。

『小田切・・・脚をひらいて』
その瞬間、小田切はビクンッと跳ねると、身体中を赤く染めた。


























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