「よせ!やめろ!!」
俺は神永の前に、身体を投げ出した。
「こいつは怪我をしているんだ!拷問なんかしたら死んでしまう!!」
すると、赤毛の男はふっと口元に皮肉な笑いを浮かべて、
「だがこの男は、もう我々の尋問に3日も耐えている。3日だ。新記録だ・・・」
男は時計を見た。
「何もしゃべらずに、ここまできたのは彼が初めてだ。ジャップは尋問には弱いからね・・・ところで、君たちはどういう関係だ?なるほど、そうか・・・友達、いや恋人かな?」
鞭が鳴った。力一杯振り下ろされた鞭は、俺の背中を強打した。
「うおおおっ・・・」
俺は、コンクリートの床を転げまわった。
「このほうが、効果がありそうだな」
冷酷な男の声。
再び、鞭が鳴った。俺は呻き、床にうずくまった。
「・・・や、めろ・・・」
声がした。神永だ。
「君が話す気になるのを待っていたよ」
赤毛の男は言った。そうして、神永に近づき、その顎を持ち上げた。
「よく見れば可愛い顔をしているな・・・なかなかそそられる」
すると、神永は、男の顔にむかって唾を吐きかけた。
「・・・まだ、そんな元気があるとはな・・・サムライボーイ」
男は口元を拭うと、鞭を、今度は神永に向かって振り下ろした。
鞭でぶたれた衝撃で、神永は椅子ごと横倒しになった。
「神永!!」
俺は、力の限り絶叫した。