<食堂・みんなの部屋>

田崎が、食堂に三好を見つけて言った。
なんだか様子がおかしいな・・・。
「三好、どうした?ぼっとしてるな」
三好は、子供みたいな無邪気な笑顔で、にっこりとした。

それを甘利が見て、
「なんかやばいな。可愛くなってるぞ、三好が」

三好は鼻歌を歌いながら、お絵かきをしている。
画は、意外にもへたくそで、だが一応は結城中佐の絵だった。
「るんるんるん☆」

神永が覗き込んで、
「三好・・・困ったな・・・大丈夫かな」

福本が思案顔で、
「結城さん、暗示を失敗したな?理性が消えすぎて、本能だけになってるぞ」
それを聞いた田崎が、すかさず側にすりより、
「僕が面倒を見るよ」
「いやいや、まずいだろ」
神永がとめた。
「じゃあ、俺が」
と甘利も立候補する。
実井がここぞとばかりに、
「面白そうだから、皆で観察するってのはどうかな?」
と提案した。
「それは最悪だ。俺一人で・・・大丈夫」
と甘利。
「俺のほうが上手に面倒をみれるよ。甘利はひっこんでて」
と田崎。

そこへ結城がやってきた。
「貴様ら、何を集まってるんだ」
「なんでもないです!」
全員が答えた。結城は不審に思いながらも、立ち去った。

「守りきったか?今のうちにとりあえず、三好の部屋へ行こう」
と福本。小田切が、
「俺が抱いていくよ」
三好を抱えあげる。三好は、
「んふ!おなかすいた!ぱくっ!」
小田切の耳に噛み付く。
「ひゃあ!耳、食べるな、三好!」
たまらず悲鳴をあげる小田切。
「おいおいおいおい!俺が代わるよ!」
波多野が突っ込みをいれた。

<三好の部屋>

「部屋についたぞ」
と福本。
波多野が舌打ちをする。
「三好、大丈夫か」
田崎が、三好の心配をすると、
「あんまりくっつくなって!」
甘利が牽制した。
「ん〜、ぺろっ!」
三好は田崎の頬を舐めた。
「はは。いくら舐めてもいいよ」

「いつもよりエロイな」
と波多野。
「お前は結城さんが好きなんだろう、三好。でもいいよ、舐めて」
言い聞かせるように田崎が言うと、甘利が、
「え?お前は俺を選んだんじゃないのかよ、田崎」
「俺は博愛主義なんだよ」

三好はじーっと波多野を見ている。
「ん?おっ、三好、どうしたよ?」
波多野が尋ねると、三好は波多野をひっぱって、廊下に出て行った。

「え?いて。どこいく!服離せって」
「おい、波多野。三好を自分の部屋に連れて行くなよ」
と田崎。
「いくなって言われても」
波多野は三好に引きずられて、廊下を歩いている。
「あ〜僕もいくよ」
と実井があとをついていく。

バタン。と、波多野の部屋の扉が閉まった。
「あ!俺も行くよ」
神永が、後を追いかけたが、目の前で鍵を閉められてしまった。
「ちっ!鍵閉めやがった」

































inserted by FC2 system