「君のお仲間はつれないね。余興は終わり?」

甘利は上半身を起こし、僕の顎を持ち上げて瞳を覗き込んだ。
僕は精一杯睨んだが、甘利はむしろ平然として、
「にらむ顔もセクシーだけど、違う顔も見たいな。少し笑ってくれる?」
「断る」
甘利はにやりとした。
次の瞬間、僕は反対に、ベッドに押さえ込まれていた。

「大声を出す?出さないよね君の性格だと。三好以上にプライド高いって噂だからな〜」
「くっ・・・」
「本当言うと、君に襲われるのも悪くなかった。君は可愛いし、その気の強さも好みだ。体つきは華奢で、折れそうなウエストもなかなかそそる」
甘利は言いながら、片手で僕の体のラインをまさぐった。
甘利の腕に圧迫されて、胸が苦しい。
人間の身体の急所を知り尽くしている感じだ。
殺気すら感じる。

「君のお陰で俺たちの立場もはっきりしたよ。そんなに嫌われているとは思わなかったから少し哀しいけどね」
耳元で囁く低く抑えた声。
「僕らは・・・貴様らの影じゃない」
「役割が不満なら結城さんに言えば?」
「んっ」
唇を塞がれて、きつく吸われた。
拒もうと思うのに、身体は勝手に応えている。
体中から力が抜けていく気がした。

「身体は素直だな」
甘利がぼそりといった。
「・・・るさい・・・」
再び唇が塞がれて、鋭い舌が歯列を割って入り込んできた。
僕の身体は何かに操られるようにその動きに合わせて、キスを返す。
ほとんど条件反射だ。
甘利の手が僕の身体をまさぐる。ひどくいやらしい手つきで。
そうして触られた箇所から皮膚が熱を帯びていくようだ。
身体が熱い。
負けまいと思う気持ちが、僕を奮い立たせた。
溺れさせてやる。新見のように。

甘利は僕の乳首に歯を立てた。
刺激は下半身に伝わり、感じやすい部分がジンと痺れた。
「エロい顔してんな〜仔猫ちゃん」
甘利の挑発は、僕自身に火をつけた。

「そっちこそ・・・皆にみせてやりたいですよ」







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