神永に相談したのが間違いだった。

神永は、皆にしゃべってしまったのだった。


「三好が女になった?」
聞きつけた奴らがやってきて、
「三好、服を脱いでみろ」
と僕に迫った。

「本当だ・・・」
田崎、甘利、波多野、実井、小田切、そして福本。
「悪い。吐きそうだ」
田崎は部屋を出て行った。
「三好。もういい、服を着ろ」
そういったのは福本だ。
隣にいる小田切は目をそむけ、頬を赤らめている。

「こういうわけなんだ」
僕は言った。
「原因はわからないのか?」
と小田切が、ようやく僕を見た。
「わかるはずないだろう。朝起きたら、女になってたんだ」

「結城さんの仕業じゃないか?」
波多野が言った。
「ありえない。第一、結城さんは女好きじゃ・・・」
そう答えようとして、だが、結城さん、芸者はあんなに好きだよな、とふと思った。
「結城さんなら、三好を女に変える魔法くらい使えるだろう」
と甘利が言った。
「なんのために?」
と実井。
「そりゃ・・・三好を玩具にするためだ」
と波多野。
「結城さんはそんな人じゃない!」
と僕は叫んだ。
「どうだろう。だが、まあ確かに結城さんらしくない」
と福本が言った。

「貴様、女だとなにか不都合があるか?」
波多野が真面目な顔で言った。
「おおありだ。第一、服に困る」
「それは大丈夫。女物ならなんでもあるよ」
と実井。
「解決だな。三好、よかったじゃないか。貴様が女でも、俺たちは気にしない」
と甘利が言った。
「田崎がめちゃくちゃ気にしてるじゃないか」
と波多野。
「この件で一番ショックを受けたみたいだね。なんでだろう。三好に気があるのかな」
と実井。
「そんなはずはない」
と甘利。
「ショックを受けた奴がもうひとりいるぞ」
と波多野。横で小田切が顔を赤らめた。





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