中瀬は眠ったのか背中を向けたまま動かない。

瀬尾さんのところにいた、か。
何もなかった・・・。
じゃあ、何をしていたっていうんだ。

自分でも不思議だ。こんなことが気になるなんて。
中瀬は童貞だし、何もないというんなら、本当にそうなのだろう。

なんだかんだで、今までは自分に懐いていた中瀬だから、急に瀬尾さんに取られた気がして面白くないだけだ。ただ、それだけ。
宗像もドイツへ行ってしまって、俺は少し寂しいんだ。
だからといって、本気で中瀬に慰めて欲しいわけじゃないし。
第一、童貞の中瀬はなにをどうするかもわからないだろう。
でも万一瀬尾さんが・・・。

「くだらねーこと考えてるな俺・・・」

瀬尾さんと寝たかどうかなんて、中瀬を抱いてみればわかる。
身体に痕が残っているはずだ。

俺はぎらついた目で中瀬を見つめた。
中瀬は眠っている。今なら抵抗も少ないだろう。
俺は中瀬に手を伸ばした。

「ふ・・・?」
中瀬は夢うつつだ。
これは夢だ、と暗示をかけ、中瀬を催眠状態にした。
そっと、中瀬の敏感な部分に触れる。
そのまま手を後ろに回し、臀部を撫ぜた。
そして、窪まったところに指を差し入れてみる。
ぴくん、と一瞬中瀬の身体は硬直したが、そのまま柔らかくなった。
中は腫れてはいない。
綺麗なものだ。
処女、だな・・・。

俺は安心して、そのままゆっくりと指をかき回した。
中瀬は目を閉じたまま、眉根を寄せて、じっと何かをこらえているようだった。
やがて小さな喘ぎ声を漏らし、その声は少しずつ大きくなっていった。
「ん・・・はあ・・・」
中瀬が逝く直前で指を抜いて、中瀬を抱きしめると、暗示を解いた。
中瀬は呼吸を乱しながら、狂乱したような目つきで俺を見た。
「あ・・・きもと・・・・?」
「なんでもない。夢を見ただけだ。悪い夢を」
俺は火照った中瀬の身体を撫ぜながら、中瀬がなおも苦しい状態でいるのを満足げに眺めた。
「どうする、それ?出してやろうか?」
「貴様っ・・・」
中瀬は息を呑んで、俺から身体を離すと、立ち上がろうとした。
「無理だよ。腰が抜けてる」
自分に何が起きたかわかっていない中瀬は、呆然と床に這いつくばった。





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