「僕、こういうところは初めてだなぁ・・・」

三好がしみじみと言う。
「ラブホで悪かったな」
「もっとけばけばしいのかと思ったけど、案外普通なんですね」
三好の言うとおり、部屋の内装は普通のホテルと変わらない。
ただ、中央にでっかくダブルベッドがでんとしている以外は・・・。

「先にシャワーを浴びてもいいですか?汗かいちゃって」
「・・・ああ」
三好は綺麗好きだからな。
俺は別に、汗臭くても構わないけど。
それより。

「お前、本当にいいのかよ?」
風呂場から出てきた三好に、俺が念を押すと、三好はきょとんとした。
「何です今更」
俺がホテルに誘うと、三好は普通についてきた。
「本当にいいのかって、聞いてるんだよ」
「・・・最近暑くて、やりきれませんからね。僕も、たまには掘りたいんですよ」
え?
掘りたいって・・・。
「ちょっと待て。三好・・・」
「波多野先輩、身体が小さくて、具合よさそうですもんね」
三好はぐいっと、身を乗り出して、俺をベッドに押し倒した。
「待て、ちょ・・・俺も風呂入るわ」
「そんなこと言って、逃げる気でしょう?逃がしませんよ」
「待てって。うわっ」
「僕に任してください」
三好は綺麗な顔を近づけて、俺の耳に息を吹きかけた。
「天国に逝かせてあげますよ」

☆☆☆☆☆

くう・・・。このサド・・・。
体中に痣をつくりやがって、どうしてくれるんだ?
「良かったですか?」
三好は耳元で囁いた。
俺は動けない。手負いの獣みたいに、ベッドにうずくまっている。
「僕はね・・・波多野先輩みたいに、前世の記憶がはっきりとあるわけじゃないんですよ・・・。寧ろ、あまり覚えていないんです。だから、貴方が羨ましいのかもしれない」
三好は煙草を取り出して、口に銜えた。
「貴方を抱けば、もう少し、思い出せるかと思ったんですけどね・・・」
















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