「結局二次会に来たのは4人だけか」
「そうだな」
甘利と神永が並んでカウンターに座っている。
ひとつ離れて、波多野と福本。

「だから〜俺は貴様のこと絶対に許してないからな〜」
「もう時効だろ。波多野。戦時中のことだから」
波多野が福本に絡んでいる。
だいぶ酔っているようだ。

「波多野はできあがってるな」
神永が言った。
手元のウイスキーの、氷がカランと鳴った。
「相変わらずで安心するよ」
甘利が言った。
「そっちは?相変わらずじゃない?」
「ん〜微妙かな?いろいろ変わってしまったこともあるだろう。お互い」
「まあなあ」
「そっちは?見つかったのか?真島は」
「その名前は口にするなよ」
「悪い。見つからないのか・・・」
「探してないよ・・・もう昔の話だからな。D機関でもない彼が転生したとは思えん」
「そうか」
「そっちこそ、田崎は?帰ったのか?」
「終わったんだ」
しゅぼっと、ライターをつけて、甘利が煙草を吸った。
紫の煙がゆっくりとたちのぼる。

「結城さんたちが羨ましいよ・・・年月を経ても・・・色あせない愛?てやつ」
「あそこは三角関係だからな。ご丁寧に佐久間までいるし。それが、長持ちの秘訣だろう」
神永は言って、腕時計を見た。
「もう終電が終わったな。タクシー捕まえるか・・・」
甘利の手が、神永の手首を掴んだ。

「まだ、帰らなくてもいいだろう?」
言外に意味を込めて、甘利は低く囁いた。








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