「ここにいたのか」
食堂に戻ると、三好がいた。
「どうだった?結城さん」
「別になにも言われなかった」
「そうか・・・まぁ、いくら結城さんでも僕らが入れ替わったとは思わないだろうな」
「そうだな」
三好が立ち上がった。
「どこへ行くんだ?」
「星、観に行くんでしょう?」
三好が首をかしげた。
近くの公園で、空を見上げると、星が瞬いている。
「どうやったら、元に戻れるんだろう」
田崎が言った。
「キスとか?してみる?」
三好が言う。
「自分の顔とキスするのはちょっとなあ・・・」
田崎が渋ると、
「そんなこと言ってる場合じゃないだろう」
と三好が言う。
星が流れた。
「願い事・・・」
三好が呟く。
元に戻れますように・・・。
「いくぞ。眼ぇつぶれ」
三好が言った。
まさか、三好からキスをくれる日がくるなんて、思いもしなかった。
黒いシルエットが重なった。
また、星が流れた。
「どうだ?」
唇を離して、拭いながら、三好が言う。
「別に変化はないよ」
と田崎。
「だめかな・・・もう一度」
三好は、今度はさっきよりも深く、くちづけた。
田崎は頭の奥が痺れるような気がした。
田崎は、三好の身体を、芝生の上に押し倒した。