ぽたり。

冷たい絵の具が、僕の身体に垂らされた。
僕は思わずぶるっと震える。でも、動けない。

「エロい顔してんな」
真島が言った。
「えっ・・・?」
「お前、今、凄くエロい顔した」

コンクリートの床の上に黒い布を敷いて、その上に裸で横たわる僕は、公園の銅像みたいだ。動くことが出来ない。
真島は僕の身体に絵の具を垂らしながら、鋭い眼で僕を見つめ続けた。
目が、ギラギラと尋常じゃなく輝いている。怖いくらいだ。
怖いくらい・・・。

「だめだ!」
突然、真島が絵筆を捨てた。
僕はびくりとして、目を見張った。
「だめ・・・?僕のモデルが良くないってこと・・・?」
「ちがう」
真島は僕に身体を寄せて、絵の具のついた指で僕の顎を持ち上げた。
「お前、さっき田崎さんとキスしようとしただろ・・・」
「う・・・うん・・・」
「嫌だ。浮気は許さない」
真島はそのまま僕の唇に唇を押し付けて、激しく吸った。
絵の具が服につくのもかまわずに、真島は僕を黒い布の上に押し倒した。
脚と脚の間に脚を押し入れて、身体を密着させると、固いものが当たった。
あぁ・・・どうしよう・・・真島、凄く興奮してるんだ・・・。
僕の柔らかいものも、真島のものに触れて緊迫してだんだん形を取り始めている。
裸なのだから、隠しようがなかった。
どうしよう・・・こんなの・・・ママに知れたら・・・。
でも、一方で、僕は知りたかった。
パパとママが、男同士でありながら、愛し合っている方法を。
ひどく・・・幼い頃から興味があった。
それが・・・今、わかるのかもしれない・・・。

絵の具の塗られた僕の身体はぬるぬるとして、真島の手は何度も滑った。
「綺麗だよ、波多野・・・すごく、綺麗だ・・・」
真島は耳元でそうささやきながら、僕の下半身を愛撫し続けた。
僕は動けないまま、ただ必死に真島の身体にしがみついていた。

よっぽど惚れられたんだね・・・。
田崎の言葉を思い出していた。
























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