「真島の息子?うりふたつだな」

警察で待っていたのは、甘利だった。
甘利は時々うちにも遊びに来るので、顔なじみの刑事だ。
パパと同じ、D課の。

「しっかし、強制わいせつと強姦容疑だって?波多野、まじでお前取り調べんの?この子達を」
「当たり前だろう。俺は現場を押さえたんだ」
「おいおい、波多野。この子達はどう見ても両思いっしょ」
「そうなんです!刑事さん」
真島は食いつくように、甘利に訴えた。
「大丈夫、波多野はいつもみのるちゃんに付きまとう輩をストーカー容疑で連行してくるんだけど、大概厳重注意で放免だから」
「おい、無罪はない、こいつらは一緒に風呂に入ってたんだぞ!」
パパが食って掛かった。
甘利は、まあまあ、と宥めて、
「お前と恭子ちゃんだって、一緒に風呂くらい入るでしょ?」
「そ、それは・・・」
「未成年ってわけでもないし、問題ないっしょ。真島の息子も・・・」
甘利は真島の頭をぽんとはたいて、
「見かけほどワルじゃないって話だしね」
「・・・うす」
真島はぶすっとして答えた。子ども扱いされたのが癪に障ったのだろう。

「みのるちゃんも大きくなったな〜。ついこないだまで赤ん坊だった気がするよ」
甘利がしみじみといった。
僕は赤くなった。恥ずかしい気がする。
「おい、甘利。こいつらの交際を認めるって言うのか!?」
パパは悔しそうに、甘利の襟首を掴んだ。
「じゃあ、みのるちゃんに聞いてみようか。どう、みのるちゃん、無理やりやられたの?すごく嫌だった?」
「・・・・・・」
僕が答えにつまっていると、真島が焦って、
「え?嫌だったの、お前?俺、強姦魔!?」
僕の顔を覗き込んでくる。
「決まりだな。甘利、真島の息子を取調室へ連行しろ。みっちり絞ってやる」
「おいおい、波多野、甘利先輩でしょ。お前後輩なんだからさ」
甘利が呆れた声を出した。
「みのるちゃん、いいの?このままじゃ、強姦魔にされちゃうよ?彼氏」
「強姦・・・じゃ・・・ないです・・・」
僕がか細い声で言った。

「ぼく・・・ぼく・・・真島のことが・・・すきだ・・・」



















inserted by FC2 system