「ゆうきさん、だと?」
佐久間が聞きとがめた。
三好ははっとして、身体を堅くした。
今、自分はなんて・・・?

「・・・そういうことかよ」
佐久間は三好の上からのいた。
「貴様の心には、ずっと、あのひとがいたってわけか」

「三好さんが誰を思っていたっていいじゃないですか。身体はここにあるんだし」
実井が口を挟んだ。
「貴方だって知らないわけじゃないでしょう。D機関員は全員結城さんに心酔してるんだって。じゃなかったら、あんなところ、務まりませんって」
「俺はそんなの、耐えられない」
「可哀想に」
実井は、佐久間の頭を抱き寄せた。
「僕だったら、あんなふうに貴方を傷つけたりはしない」
「実井・・・」
「貴方の身体、好きですよ・・・この腹筋のあたり・・・」
実井の白い指が、佐久間の腹筋をなぞる。
「ひどく、そそられる」

「武藤大佐は、どうしたかな」
「僕があのあと、しこたま酒を飲まして、眠り薬を垂らしておきましたよ。記憶が飛ぶくらいには呑んだと思いますよ」
「そうか・・・」
「貴方を抱いても、いいですか?」
実井が囁いた。

実井が佐久間の身体を愛撫するのを、三好は乾いた目つきで見ていた。
佐久間は、糸の切れた人形のように床に横たわっている。
ほとんど眠っているかのように、動かない。

実井が佐久間の胸を開いた。そして、小さな果実のような乳首を、口に含んだ。

「・・・どうして、佐久間を、貴様が?」
「この身体が好きだから、と、さっき言いましたよ」
「身体だけ?」
「僕は貴方とは違いますよ、三好さん。もっとも、貴方だって、この身体に惹かれたんでしょう?」
「・・・・・・」
「ほら、図星だ。言っておきますが、貴方はずるいですよ。結城さんのことも諦めないなんて・・・強欲だ」
卑猥な音を立てながら、実井が佐久間の乳首を舐め上げる。

「貴様こそ、本当に寝たいのは、佐久間じゃないんだろう」
「さあ、どうだろう?えり好みしない性質だから」
「ついていけないよ」
「お互い様ですけどね」






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