真島がここへ来てるのか。
血のつながりはなくとも、みのるのことが気になるんだな・・・。

波多野の話じゃ、オムツ替えまでしたらしいから、意外に子供好きなんだろう。
子供レンタルも、趣味の延長みたいなものなのか。
トトロ園の子供たちにも慕われているようだしな・・・。

「神永」
名前を呼ばれてハッとした。甘利だ。
「下に真島が来てる。お前に会いに」
「なんだと!?」
よりによって、警察署に来るなんて、何考えてるんだ!?
「早く行けよ。他の奴に見つかるとまずい」

「真島!?」
「悪いな。きちまった。約束の時間だから」
「約束なんかしてない!」
「いいから乗れよ。目立ちたくないだろう」
確かにそうだ。俺は助手席に乗り込んだ。

「出てくるまで待つつもりが、甘利の顔が見えたからな。まずかったか?」
「いいわけないだろ!誤解されたら」
「誤解?」
真島はブレーキを踏んだ。
「俺はあんたと付き合ってるんだろ?」
「はあ!?まだ一回やっただけ・・・」
「ふざけんじゃねーぞ・・・」
急にドスの効いた声で、真島が言った。
「俺と一回寝れば充分だろ。てめーは永遠に俺の女だ」

後方からの激しいクラクション。
だが、真島は車を停めたまま、俺を睨んでいた。
inserted by FC2 system