結城さんの部屋に入ると、結城さんは椅子に座っていた。
その膝の上に、実井が腰を下ろしている。
実井は女装して、ミニスカートを履いている。
そうして、くるりと向き直ると、結城さんにまたがった。

卑猥な音が鳴り響く。実井は見せ付けるように、結城さんの上で踊り始める。
そうして、自らの服を一枚、また一枚と脱いでいく。
とうとう全裸になり、実井は、結城さんの顔に唇を寄せる。
唇が重なる。唇の端から透明な液体が零れる。

「やめろ〜!!」
俺は飛び起きた。
こたつ。福本の家だ・・・。夢、だったのか・・・。

「どうした」
福本が起きてきた。
「なんでもない・・・夢を、見ただけだ」
「?大丈夫か」
大丈夫じゃない。
夢でさえ、実井と結城さんに嫉妬するのか俺は・・・。

福本が水を差し出した。俺はそれを受け取ると、口に含んだ。
ぬるい水道水だ。
「うなされていたな。どんな夢だ」
「実井と・・・結城さんが・・・愛し合っていた・・・」
「なるほど」
福本は腰を下ろした。
「無意識に嫉妬するんだろうな。まだ、未練があるのだろう」
「そんなんじゃねぇ・・・俺だって、前世と現世が違うことくらいわかってる・・・」
「なるほど。お前はわかってるんだな」

「なあ、福本。結城さんはハーレムを作りたくて、D機関を再構築したんじゃないよな?」
「そんな噂は昔もあったけど、俺は違うと信じている。結城さんは確かに好色だが、それだけの人じゃない」
「好色といえば、甘利はホストクラブを作ったんだって?」
「あいつは確かに好色だ。異論はない。派手に遊んでいるという話だ」
「福本、近い」
気づけば、福本の顔がすぐそばにあった。








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