仕事の中でも一番大変なのは風呂焚きだ。
でも、風呂焚きは、面白くもある。
人間関係が垣間見えるから・・・。
いつも、たいてい一番風呂は三好さんだ。

三好「(ガラッ)今日も一番か。気持ちいいな」

田崎「お、三好。いたのか」
三好「貴様とはよく一緒になるな・・・」
田崎「俺も風呂は早いんだ。背中流そうか?」
三好「なんで?別に僕が先輩ってわけじゃないし」
田崎「構わないよ」
三好「いや、いいよ・・・あんまり・・・近寄るな」
田崎「遠慮するなよ」
三好「それ以上触ると、いろいろ後悔することになるぞ」

こんな感じだ。
田崎さんはいつも、三好さんと一緒だ。
そのあとで甘利さんも来ることがある。

甘利「(ガラッ)・・・田崎。と三好か」
田崎「甘利、今日は早いね」
甘利「まあね・・・なんか近くないかお前ら」
三好「田崎がくっついてくるんだ」
田崎「人聞きの悪い。甘利、石鹸」
甘利「さんきゅ・・・」

三好「僕はもうでる」
田崎「もう?まだ髪を洗ってないだろ」
三好「今日は風邪引いてるから」
田崎「ん。そうか。じゃあな」
甘利「やけに構うな・・・」
田崎「え?そう?別に普通だけど」
甘利「まだ、三好のこと・・・諦めてないのか」

そのとき、小田切さんが入ってきた。
小田切「おお、貴様らいたのか。熱いか?風呂は」
田崎「そうでもないよ」
小田切「哲二君が焚いてくれてるんだから、順番に入らないとな」

僕を気遣ってくれる。小田切さんはとてもいいひとだ。

小田切「哲二君。風呂加減はちょうどいいよ」
哲二「ありがとうございます」

僕は嬉しくなって、薪を追加した。






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