葛西が寝ている側に、宗像は付き添っている。
「気がついたか」
「ん・・・ここは・・・」
「貴様の部屋だ、というより、秋元の部屋だがな」
葛西は秋元と部屋を交換している。今は中瀬と同室だ。
「なんだったんだ・・・」
「抱き枕に欲情した一期生たちが、お前を押しつぶしたんだ。枕と本人との区別がつかなくなるらしい」
「抱き枕・・・?ああ、例の、あれか・・・」
葛西は怪訝そうな顔をしたが、
「迷惑な話だ。中瀬が抗議しにいった。結城さんの命令で枕は回収されたようだ。もう安心だな」
「僕を嫌っているはずの一期生たちがあれを抱いて寝たのか?どうかしてる・・・」
「枕、とられちゃったな」
と小田切。
「随分あっさりしてるじゃないか。あれほど執着していたのに」
「執着?俺が?そういうお前こそ試したんじゃないか」
「あれはっ・・・報告する為に、仕方なくだな」
福本の耳は赤くなった。
「ナイフの的にしてたのに」
と実井。
「サンドバックにする予定だったのに」
と波多野。
「そういいながらも、結局抱いて寝たくせに」
とお互いがお互いをののしった。
「あれ、冗談だったんだろ?」
と田崎。
「もちのろんだ」
と甘利。
「無事だったのは三好だけか」
と神永。
「全く、みんな。葛西に対してホモホモしすぎるんだから」
と三好はぷりぷりと怒っていた。