「あのあと結城さんに怒られたんだ。<貴様たち、見苦しい!ホモホモしいぞ!>って」
中瀬は、愚痴る為に瀬尾のところにやってきていた。
「それに、枕の効果も一時間が限度で、そのあとは、皆正気に返って、葛西に群がった記憶も全部消えていたんだ」
瀬尾は、
「そうでしたか・・・効果っていうか、まさか枕の葛西さんに対する愛着が、本人に転嫁するとは思いませんでしたよ。葛西さん、大丈夫でしたか?」
「大丈夫。宗像がついてる。って、大丈夫じゃないか・・・いや、こっちの話だ。あ〜あ、折角、いけると思ったんだがな〜一期生も結構図太い・・・」
そういいながら眼鏡を外して、髪をかきあげた。
それを見ていた瀬尾が、顔を赤くして身を乗り出し、
「中瀬さん!眼鏡同士仲良くしてください!よく見たら、実井さんにも波多野さんにも似ているし、あぁ、なんて美味しいんだろ・・・」
と、手を握ってきた。
迫力に押された中瀬は、
「あ・・・いや・・・うん。・・・・別にいいけど・・・」
「本当ですか?俺と、仲良くしてくれるんですか?」
「仲良くって、今までも十分仲いいじゃないか。これ以上、どう・・・」
「中瀬さんっ!!!」
瀬尾は、感極まって、中瀬に抱きついてきた。
中瀬は、無意識に瀬尾を背負い投げしていた。
投げ飛ばされた瀬尾は、逆さになって壁に激突、目を回した。
「あっ、すまん。やけにホモホモしいから・・・つい」
中瀬は冷たい顔で、眼鏡をかけなおした。