「どうしたんですか、ロベルト」
その声にハッとして見ると、三好は三好ではなく、黒髪の平賀だった。

「俺は、ロベルトなのか・・・」
「なにをおかしなことを」
怪訝な顔で平賀はその美しい目で俺の顔を見つめてきた。
吸い込まれそうだ。
「頭でも打ったのですか?」
平賀が掌を俺の額に当てる。
ひやりとした冷たい小さなてのひら。
「平賀」
俺は、平賀の身体を壁に押し付けて、唇を奪った。

「ロベルト」
俺の身体を押しのけるようにして平賀は身を捩った。
息をつく。
「神を欺くことはできません」
「君の気持ちはどうなんだ?」
平賀はキスを拒まなかった。
三好と同じだ。
その気があるはずだ。
「困らせないでください。ロベルト。私には貴方を受け入れることは出来ません!」
いつになく激しい口調で平賀はそういった。
「ロベルトなら退くだろう。だが、俺は」
ロベルトじゃない。

俺は平賀を抱き上げると、一人用のベットの上にどさりと落とした。











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