角を曲がったところで、腕を掴まれた。
振り向かなくてもわかる。真島だ。

「待てよ!」
「待たない」
「悪かった!謝るから」
「簡単に謝るなよ!」
「神永」
後ろから羽交い絞めにするように抱きしめた。
雪がちらつき始めた。
「店に戻ろう」
神永の手を引いて、真島は歩き始めた。


寮。
「そうだ。結城さんの部屋にこっそり置いてこよう」
立ち直った三好は前向きに計画を立てた。
チョコレートを厳重にラッピングして、準備完了。
「結城さん驚くかな〜」

「結城さん、なにしてるんですか?」
福本が尋ねると、結城は、
「三好が来た時のための捕獲罠だ。奴の性格だと、きっとまた来るからな・・・」
「なるほど、捕獲罠・・・」
部屋のドアを開けると、天上から網が落ちるようになっている。
「それで、三好を捕獲してどうするんです?」
「いわずもがなだ」
「なるほど。言えない様なことをするんですね・・・」

扉が開いた。
「わっ☆」
三好の上に網が覆いかぶさった。そのまま三好は天井から釣り下がった。
「成功ですね」
天井の三好を見上げて、福本はいい、部屋を出た。

扉を閉める。
あとは、人に言えない様な光景が、部屋で繰り広げられるだろう・・・。
福本は小田切の顔を思い浮かべながら、廊下を歩いていった。
窓の外は雪。
今夜は積もりそうだ・・・。



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