「公園通りの婦人警官と、ライン交換したんだ。今度コンパするから甘利も行くだろ?☆」
満面の笑みで、俺に報告する。
「いかねーよ」
「えっ?なんでなんで?いつもは行く!って即答じゃんか〜」
神永の驚いた顔。
こっちがびっくりだわ。
なんで俺がお前とコンパいかきゃならないんだ。そりゃ、今まではいつも一緒に行ってたけど・・・。

「行こうぜ、甘利。メンツ足りないんだからさ〜波多野は無理だし」
「神永」
「はい?」
「無理すんな」
俺はぼすっと神永の頭の上に手を乗せて、ぐしゃぐしゃとかき回した。
「なにすんだよっ!」
神永の白い頬はわずかに赤くなり、少しやんちゃな男の子みたいに手を払いのけた。
神永はこう見えてプライドが馬鹿高い。
子ども扱いされるのは嫌いだ。
それはわかっていたが。

「悪いな。こっちは時間がかかりそうだわ。お前と違って」
神永は怪訝な顔をする。
「わからないなら、いいわ。今度・・・」
「甘利」
神永は鋭くみつめてくる。
「こないだのことなら、謝る」
「・・・なにをだよ」
声が低くなる。
「貴様を巻き込んだのは、俺のミスだ」
「ああ、そうかよ」
少し投げやりな気持ちになって、俺は天井を仰いだ。
俺のミス、か。

「埋め合わせをさせてくれ」
埋め合わせ?
「それでコンパって・・・お前・・・デリカシーなさすぎ」
「だって、癒されるだろ?」

「癒されねーよ。俺のことはしばらくほっといてくれ。死んだと思って」
最後のセリフに、神永は少し傷ついた目をした。

inserted by FC2 system