玄関を開けたら、神永が立っていた。

「どうした?ずぶ濡れで・・・怪我したのか!?」
白いシャツの腹の辺りが赤く染まっている。

「俺の血じゃない・・・真島が・・・」
ふらり、と崩れそうになる神永を、俺が支えた。
「死んだ」

真島が死んだ?
神永の身体は冷え切っていて、血の気がなかった。
「おい、しっかりしろ!」
「・・・シャワーを、貸してくれ・・・」

俺は、神永に肩を貸すと、風呂場へと移動した。

俺は神永を風呂場に引き込むと、シャワーを出した。
神永は茫然自失の体だ。
シャツのボタンを一つ一つ外し、ズボンと靴下を脱がせた。

風呂の縁に腰を下ろしたまま、神永はぼんやりと俺を見上げた。
「甘利・・・」
「ああ?」
俺は神永の体についた血を洗い流すべく、体を擦っていた。

「抱いてくれ」
「はあ!?」
俺は耳を疑った。神永が俺を誘うなんて・・・いままでなかったことだ。

「お前、正気か?」
「正気だ。正気すぎて、気が狂いそうなんだ・・・」
見ると、下着に包まれたものは、わずかに勃起しかかっている。
俺はそれを見て、わずかに動揺した。

俺は、放っておけば泣き出しそうな神永の唇に、唇を押し付けた。
そうして、舌を絡めると、唾液を吸い上げた。
据え膳喰わねば・・・。
そう思ったわけでもないが、血に塗れた神永を見て俺自身興奮していたのだろう、すぐに臨戦態勢に入った。

だが、夢中で神永を貫いていた間も、神永は、真島、真島、と別の名前を呼んでいた。そのことに虚しくなりながらも、俺は自分自身の熱で、神永の体を温め続けた。



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